SFC風来のシレン研究ノート

元々ブロマガでやってたやつ

デレニアム問題４「パルテノスＸ」（おまけ：私と伊集院光）

序：http://ch.nicovideo.jp/gmQ/blomaga/ar1238118
前回：http://ch.nicovideo.jp/gmQ/blomaga/ar1672706

デレニアム問題４：パルテノスXの生成
解明：gm:||（？）
発表：2016年4月　

「回想バグ」と名付けた現象から導かれた成果の一つ。
永久倍速とは別の意味で古くから知られていた存在であった。
「パルテノスX」という没モンスターの情報自体は古くから知られており、今は亡きシレンジャーの集い場「剛魔窟」で紹介コーナーがあったほど。
…しかし「ロードしたらいつの間にかある」物だとも知られていたので、ロードエラー時の再現性のないバグ、と広く認識されていた。

　実のところ、ロードが時々ミスすること自体はかなりの人数が経験していたが、それが特定の行動で再現性があることを見出した人間は（ほとんど）いなかった。 上の動画でもその方法論は厳密には間違っていて、「鈍足のとき敵の隣でダッシュする」ということが正解だった。

　回想バグの細かな方法とパルテノスXの生成方法については動画またはシレンwiki　
　をご覧いただきたい。

しかし今回の焦点は、回想バグによって「何ができるようになったのか」という点である。

　回想バグによるロードミスは、「プレイと回想との間で敵の行動数が１回ずれる」という実際には小さな現象である。パルテノスXとか魔蝕虫の肉の生成というのは、結局そのズレからアイテム欄を少しずらしただけの最低限の応用でしかない。

　しかし、そこに解析勢の一人であるffff氏の手が加わって、このバグは本領を発揮した。
それによって「できるようになったこと」は加速的に広がり、デレニアム問題５以降の解決に繋がった。
（というか、これ以降の応用についてはもはや「回想バグ」と呼ぶべきでないと個人的には思っている）

それは「可能な行動コードの拡張」である。この詳細な解説は以降、デレニアム問題５と合わせて行いたい。今回はここまで。

（おまけ）
　本題から逸れるが、回想バグの解明者に（？）をつけたことには結構重い理由がある。まず、パルテノスXが知られていたもう一つの理由として、 ヘビーなシレンジャーでもあった伊集院光氏がラジオで言及したことがあったのだ。 それは2002年9月2日放送回の事だった。

…少なくとも、僕がリスナーでなければ、僕がパルテノスXの手順を見つけることは絶対になかった。


　実際の音源は恐らく探せば見つかると思うのでリンクは控えるが、伊集院光氏が中村光一氏との対談の中で、パルテノス（思い違いでパルテノン、と発音している）に言及した際話題が盛り上がり、その流れの中で「自由自在にパルテノンを出せる人がいる」との発言があったのだ。今から１７年前の話である。

　…それがプレイヤーなのか、スタッフ側の人なのかはわからない。しかし方法として恐らく回想バグと大きく異ならないと思う。もしかしたら、パルテノスXの生成方法はごく一部の人間には知られていたのかもしれない。それこそ、永久倍速の方法は既に知られていたんじゃないか、という噂と同じように。

…

SFCシレンのバグは、本当に奥深い。
　シレンwikiによると22万本売れたこのソフトの、22万人以上のシレンジャーのたった一人にしか起こりえないようなバグを、このゲームの自由度は、シレンジャーに与えてしまう。 だから、パルテノスXを目撃した人が誰であっても、本質的にはおかしくなかった。

　この20余年間、方法論を見出し、そして誰にも言わないままだった人がいたかどうかは、もはやわからない。それはクロンの思し召しだ。しかしそれは同時に、誰もが新しいバグに触れ得ることを意味する。だからこのゲームは面白い。そう思う。

　更に余談だが、なぜ伊集院光のラジオについてそこまで詳細に知っているかというと（これ書くために調べ直した、ということもあるが）、自分自身が2002年当時、まさにシレンプレイヤーで、かつそのラジオを生で聞いていたからだ。

　そう、伊集院光氏もまた、パルテノスXに触れたシレンジャーの一人だった。
SFCシレンの発売から７年も経って言及するほど伊集院氏の印象に残ったこの現象が、
リスナーの１人である自分に届き、頭に残り続け、
さらに14年も経ってからそれを再現できたことには、なにか因縁じみたものを感じる。

　それだけ、このゲームのバグというか、このゲーム自身の力みたいなものが、今でも自分や他のたくさんのプレイヤーを動かしているんじゃないかなあと思っている。そういうゲームの力はきっとシレン以外にもあって、だから、「学会」という不思議な文化が成立したんだと思う。

…ちょうど、チョコボの不思議なダンジョンの新作が発表された所だけど、
結局僕はしばらくのあいだ、SFCシレンにこだわり続けるだろう。 長くなったが余談まで。

（続く：http://ch.nicovideo.jp/gmQ/blomaga/ar1673605）