SFC風来のシレン研究ノート

元々ブロマガでやってたやつ

SFCシレン最近の話題と課題:デレニアム問題1~3

(前回:http://ch.nicovideo.jp/gmQ/blomaga/ar1238118

デレニアム問題1:永久倍速

解明:oyasen氏
発表:2010年 

 古くから知られ、あまりに有用なため「方法は判明しているが知っている人が隠匿している」と言われていた時期さえあった曰く付きのバグ。
 oyasen氏の解析により、原因はプログラム上のミスであることが判明した。

 具体的には、シレンの倍速状態継続ターンの変数が、誤って杖を振ったがいこつまどうのキャラ番号(20~0の出現順)で設定されているというもの。
(細かな手順はこちら:
 )

 キャラ番号0のがいこつまどうを用意するには意図的で不自然な手順が必要なので、情報は隠匿されていたのではなく、遭遇が稀で誰も解明には至ってなかった、ということが真実なのだろうと思う。

 デレニアム問題の半分は、このようなプログラム解析の成果による。


デレニアム問題2:怨念杖
解明:oyasen氏
発表:2009年 


 掛軸裏でエーテルデビルの肉を入手する唯一の方法の候補として上級シレンジャーを駆り立てていた現象。大体「まどう杖を投げると時々肉になる」というマニアックな状況が既に知られていた事シレンジャーの歴史の重さを感じる。

 この原因はかなり複雑なプログラム上のロジックエラーであり、「やまびこの盾等で魔法を反射した直後は、まどう杖を投げ当てた効果が敵のレベルに依存して変化する」というもの。
 だから、レベル3モンスターであればガイコツ魔王の効果となり、肉になり得る。
(詳しくはこちら
 )

以上の説明で、
「じゃあ、火炎入道やキグニ族のレベル4以上だと、存在しないレベルのがいこつまどう杖の効果が出るのでは?」
 と気づいた方は、風来のシレン学会員の素質があります。
実際これはシレンwikiで既に研究されており、ゲームをクラッシュするバグが起こり得ると報告されている。


 一部、回想の再生などの興味深い現象も起こり得るようで、この怨念の幅は厳密には知られていない


これらは怨念杖の発見→解明→応用という、
近年のバグ活用に見られる流れの一つとも言えるかもしれない。

デレニアム問題3:没罠の生成
解明:oyasen氏
発表:2009年 https://oyasen.exblog.jp/12169060/

そもそも、
「うっぷんばらしの壺を投げたときの爆風で死んだ場合、番付には『時限爆弾の爆発で倒れる』というバグ表記になる」
ということが先に知られており、また実際に可動する時限爆弾の報告もチラホラあった。
(過去、「剛魔窟」にも専用ページが設けられていた:http://web.archive.org/web/20051230224807/http://satsuki.sakura.ne.jp:80/~gyari/shiren/kk/timebomb.html )

 実際の現象は「やみふくろうが存在するマスの種類」に依存するという
罠とは直接関係ない理屈に寄っており、解明までに時間のかかった原因の一つとなっている。
 ただ、時限爆弾に関しては明白に、「スタッフが作り込んだが実装しなかった」ものの呼び出しであり、永久倍速や怨念杖のようなロジックエラーとは趣の異なる、夢のあるバグのように感じる。


 SFCシレンにそういった「夢のある未使用ギミック」があり、かつ風来人達の膨大なプレイデータが、ごく稀な現象を通してそれを垣間見えるまで至らしめたことこそが、このゲームのバグの本質的な魅力であり、だからこそ、人は(というか僕は)パルテノスへの夢をいつまでも忘れなかったといえよう。


…デレニアム問題1~3と4以降は、回想バグ前後として明確に区別できるが、そこに至ろうとする精神には違いはないといって差し支えないんじゃないかと思う。


(続く:http://ch.nicovideo.jp/gmQ/blomaga/ar1673295